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ザ・シムズ3ペット プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


3DSにおける『ザ・シムズ』シリーズの第2弾が早くも登場した。それがこの『ザ・シムズ3ペット』である。
タイトルからすると、第2弾という感じはあまりしないのであるが、中身を見れば正当な続編という印象の方が強いであろう。
少なくとも、前作にちょっと毛が生えた程度の「+α」だけのものではない。それをこれから説明していこうと思う。

まず書くべき事は、追加要素ではなく実はユーザーインターフェイス、操作部分のアピアランスである。
主に下画面でのパラメータや欲求・希求などがすっきり整頓され、見た感じからも好印象を与える出来。
また、タッチペンでの操作がメインであった前作『3』から大幅に変更され、十字ボタン・ボタン・スライドパッド+タッチペンという操作体系になった。
多少操作の難易度は上がったような気もするが、『3』に比べればかえって分かりやすい操作体系になったといえよう。

次に追加要素であるところのペットである。今作では最初から1世帯最大3シムでの生活が可能であり、無論ペットを加えての生活も出来るようになっている。
多少無茶ではあるが、ペットだけで生活する事も可能である。主に金策や食事などで苦労する羽目になるものの。ちなみに、このゲームにおいてはペットと人間はほぼ同格の存在である。
人間のシムを自由にデザイン出来るのと同様、ペットのシムも自由にデザイン出来る。歌舞いたシムを作るもよし、正統派のシムを作るもよし。
なお今作でも最初から総てのデザインが出来るわけではなく、一部の要素は条件を満たす事によってアンロックされ、そこから初めて使用が可能となる。

このゲーム、以上の追加要素・変更要素を除くと、人間で生活する以上は、前作と比べての変化は然程に見れない。
故に、新しさを求めるならペットを加えて生活する事は重要、寧ろほぼ必須ではないかと思われる。
また、今作から、シムに「自由意志」を認めるか否かの選択が出来るようになった。自由意志とは大まかに言えば、セミオートでの行動を認めるかどうかという事である。
この自由意志を認めない場合、一々シムの行動を指示する事になるが、逆にこれのお陰でシムのコントロールは劇的に良くなる。これもまた「自分の意思」を表すためには必須ではなかろうか。

弱点としては、インターフェイスが改善されたとはいえ先程も述べたように、前作とやる事があまり進歩していないという事が挙げられよう。
即ち、只管日々の生活を全うしていくという、ジャンルに偽りなしの人生シミュレーションを粛々と実行していく事が求められるのである。
シミュレーションを粛々と実行するこの類のゲームが楽しめるのであれば、このゲームはそういったユーザーには素晴らしいゲームとして映るであろう。
ただしそうでなければ、自分であまりシミュレーションに適していないと思うのであれば、このレビューを読んで躊躇いを持つのであれば、この場で引き返し忘れる事である。


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