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サモンナイト クラフトソード物語 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


割とオーソドックスな、アクション・ロールプレイング。PSで出た『サモンナイト』というシリーズの外伝的作品として位置付けられている。
本家はシミュレーション・ロールプレイングだったが、そこからは大幅に変更がなされており、特徴としては、
1.独りで戦う
2.護衛獣は魔法・アイテムに近い扱い
3.戦うための武器は自分で作る
等が挙げられる。面白みのあるストーリー性は変わらず健在である。基本的にシリアス風味で、人間というモノをよく捉えていると思う。

さて、このゲーム、もう続編が2つも出ている。即ち『2』と『はじまりの石』である。
ここでは比較的『1』に近い『2』と比較しながらゲームの特徴を述べていきたい。

狭い世界というのは一緒である。本家の『サモンナイト』ではあちこちをうろついていろいろな場所でバトルを繰り広げたものだが、このゲームでは基本的に海上都市ワイスタァンから動かない。たまによその土地へいく事もあるが、あくまで基本はワイスタァンでの物語だ。これは『2』の村近くから動かないスタイルを思い起こさせる。
武器も5種類、剣・斧・槍・ナックル・ドリルと共通している。ただ『2』と比べて微妙に操作性が異なっている。具体的には攻撃後の隙や同じ攻撃での敵のリアクション等が違う。
また武器の作成システムも大きく違っている。秘伝を親方から教えてもらい、武器を作るという方式になっている。『2』では新しい材料から新しい武器が作られるという方式だったが、今作では材料、というか素材、というかエレメントを集めてきて、それを分解してそこから武器を作成するというやり方だ。
さらに、全武器を自分で作れた『2』と違い、召喚する護衛獣によっては一部の武器が作れなくなっている。つまり武器のコンプリートは不可能という事になっている。
一部のイベント戦では敵の武器を破壊する事に成功すればその武器が作成できるというボーナスが得られる。コレクターなら是非狙ってみよう。ただ残念ながら、さっきも言ったように武器のコンプリートは不可能になっている。そのため、あまりがむしゃらになる事はない。
もう一つ、護衛獣は自分の意志で選べない。出される質問に答えてその回答により出てくる護衛獣が決定するという方式だ。何回かやり直せば望みの護衛獣を召喚できるが、立て前としてはできない事になっている。召喚する護衛獣によって武器の作成に得意・不得意があるので、最初は直感で護衛獣を決めてもいいが、2週目以降は計算して護衛獣を決めるのが良いだろう。
剣だけで渡り合うのもありではあるが、それだと柔軟性の面から敵に対処しづらいので、できるだけ多くの武器を手に取ってみると良い。
護衛獣は自分の意志で決めるのにはコツがあるという難点があるが、そんな難しいレベルの選択ではないので何回かやるうちになんとかなる事だろう。
あと、『2』ではあった、ボイスというか掛け声がない。効果音ならあるが。

ストーリーは単純といえば単純。これも『2』に近いが、『2』よりも多少は入り組んでいるかもしれない。人間性というところでは『2』を上回っているのではないだろうか。そういえば本家『サモンナイト』でも『1』が一番楽しかった気がする。
イベント戦が多く、武器の消耗が激しいのも特徴。『2』のイベント戦では相手の武器を破壊するのは至難の技だったが、今作では非常にやりやすくなっている。
ストーリーが相当進むまで主人公は何も知らされず知らず戦うのも特徴。ここら辺『2』と比べればミスティックさを醸し出している。
難易度はそんなに高くないが、レベルの上げ方によっては苦戦を強いられる事も。
なお、ストーリーの途中で『1』から特別ゲストが出演する。ファンには嬉しいサービスだが、本家を知らなければただの謎でしかないところが残念である。
ゲームとしての完成度は高い。何度もやり込める事も大きなプラスだ。良作であろう。


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