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サモンナイト クラフトソード物語2 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


ロールプレイング・アクションゲーム。
ストーリー的には、まあ、普通というか凡庸である。古の魔物が復活して、それを再封印する、という。
肝は、類似のモノで例えればテイルズオブファンタジアに似ているアクションバトル。この例えが分からなくても、普通にアクションゲームなので問題はない。

剣・斧・槍・ナックル・ドリルの5系統の武器が登場し、特に強制されずに好きな武器でもって戦う事ができる。
戦闘時には護衛獣なるお供がサポートしてくれる。タイミングはこちらの随時。護衛獣はゲームスタート時に4種類から選ぶ事ができる。なお、主人公と護衛獣は戦闘ではちょっとだけ喋る。
登場人物もバリエーション豊か。ちょっと悪役が足りない気がするが、『サモンナイト』シリーズではこんなものだろうか。

遊び要素が割と多いところが面白い。最たるものは巨大ロボット・ガンヴァルドに搭乗して戦うシーンだろう。ガンヴァルドで戦えるのはこのシーンのみだが、これはファンタジー世界に巨大ロボを出すというある種の無茶をやりたかっただけなのではないかと思われる。こういう無駄は大好きだ。
そして釣り。これはややストーリーを進めるのに必須なところがあるものの、単純なルールでしかない故に奥深く、じっくり楽しむ事ができる。エサを限定しての釣り大会なんてあったら面白そう。
また、これも必要性と融和しているのだが、武器で戦うその行動自体が遊び要素とも言える。何故なら、このゲームは、単に戦い抜くだけなら1武器一辺倒でも充分可能だからである。腕はある程度必要なものの、決して無理な話ではない。そこを敢えて、槍だのドリルだのを使うから面白いのだ。これもまた、立派な遊びである。

意外に、『サモンナイト』シリーズを知っているこの身からすれば、まさに意外に熱中できたゲームであった。
ストーリーはさっきも言った通りやや凡庸なのだが、その他の面でのフォローが行き届き完成度はとても高い。
中核にアクションがある事が良かった。ストーリーが中核だったらここまで熱中できなかっただろう。
その反面、アクションに少しでも飽きが来ると、一気に勢いを失う危険性も秘めてはいるが……。

欠点・弱点に付いて言及していないが、このゲームは善くも悪くも小粒なため、それら欠点・弱点が目に付きにくいのである。
ストーリーが弱いというのは弱点には違いないものの、アクション部分で相殺しているし、そんなに目に付くほどでもない。それにストーリーを全面に押し出してもいないので鼻に来ない。更に言えばストーリーの弱さという弱点は『サモンナイト』『サモンナイト2』でも存在した。
一通り粗探しをしたが、結局目立ったものを見つける事はできなかった。強いて言えば、その小粒さが欠点ではあろう。

結果的には、購入して良かったと思えるゲームであった。これなら定価で買っても損害は出ないだろう。更に今は定価以下で手に入るのは確実であると思われるので、なおお得である。
この『クラフトソード物語』シリーズはこれも含め3作が出ているらしい。そっちも期待できそうだ。聞くところによるとストーリーは期待できないそうだが(一説に過ぎないが信憑性のある話だ、何故ならサモンナイトだから)、それはやってみて確かめたいと思っている。
携帯ゲーム機でこれだけできれば充分合格点であろう。寧ろこれで1つの完成形ではないかと思えるくらいだ。これからも外伝として頑張っていってほしいものである。


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