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卒業 2nd Generation プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


シミュレーションゲームであるが、今までの『卒業』シリーズとは違い、100%育成シミュレーションだとは断言できない部分が多々ある。
はっきり言って、育成の難易度は今までのシリーズにくらべるとかなり低い。
とはいえ、学業に限っての事なので、その他、例えばイベントやエンディングを極めようとするのであれば、それなりの難易度には跳ね上がる。
だがこれだと育成シミュレーションというよりは寧ろギャルゲーになるので、先程述べた通り育成シミュレーションとは断言できないのである。

育成するキャラクターは今までと同じく5人。成長パラメータも今までと似たり寄ったり、とシステム面に大きな変化は見られない。
授業は1人ごとに成功/失敗の判定をするが、2人以上続けて成功すると、パラメータ成長にプラスボーナスが付く。なお、グループ分けは3人グループと2人グループに別れる。
パラメータ上昇のみを目的にするなら、授業方針を「きびしい」にして、多様な組み合わせで授業を行えば良い。「きびしい」だと敬意が下がるが、11あたりまでなら不機嫌にもならない。
仲が良くなっていくと、そのうち「ふつう」でも授業成功になるので、そのまま授業を続けていけば文句なく優秀な生徒が育つ。

さて、今回取り入れられた「親子の仲」。あんまりにも関係が悪いようだと生徒が不機嫌になったりするが、親子同伴で出かける事で簡単に正常化は可能だ。
ただ、この手段によるデメリットとでもいうものがあり、教師が親と仲良くなってしまい、イベントが進んで結婚してしまうというオチになってしまう事が多々あるのである。
生徒の方は好意・敬意が高くないとイベントが起こらないのだが、親とのイベントは友好度だけで発生すると見られる。結果、最後には親御さんと結婚してしまうなんて事も。
ある程度は狙ってイベントをすすめる事もできるが、ランダム性があるようで、思うように行かない事も。時には敢えて非常の決断を選ばなければならない事もあるだろう。

繰り返すが、今までの『卒業』シリーズとは違う。その1つの点として、イベントに重きが置かれているところが挙げられる。
今までは校則違反・サボり・家出などは当たり前だったこのシリーズ、今回は余程滅茶苦茶にプレイしていないと、皆勤賞が狙える程にみんな出席してくる。
今作の肝は寧ろ育成ではなく、生徒・そしてその親御のイベントに尽きると思う。ヒューマンドラマとでも言える程の深いストーリーが、上手くやれば幾つも発生する。
極め細やかに育成してやれば、相当面白い事になる。生徒5人のイベントと学業の両立は決して不可能ではない。2周目になったら頑張ってみたい。

1回のプレイ時間は、初回で6時間程度、2回目なら4〜5時間で済む。
コツとしては、このゲームはランダム性が割と多め。授業・テストなどで上手く行かない時は2〜3度ロードしてやり直してやると意外に上手く行く事もあるので、時には粘ってみよう。
どうでもいい感想だが、親御さんが一児の母だというのにみんな若くて綺麗だね。しかも全員独り身。なんで世間が放っておかないのか不思議だ。あの問題児どもが親として頑張っているのを見ると、月日の流れというものを感じられる気になる。まあ一部の奴は、昔とそんなに変わってなくておいおい貴様ッ! って感じなんだが。
サクッと楽しめるいいゲームといえよう。プレイしがいがあるので幅広い層にお薦めできる。初代の『卒業』ファンにもお薦めだ。


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