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タクティクスレイヤー 〜リティナガード戦記〜 プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


見た目はイロモノだが、その実はまあまあ硬派とさえ言える戦術シミュレーションゲーム。
異世界のパワーの源となるのはコスチュームという、ふざけているとしか言えない設定だが、ストーリーはそれに反するかのように真面目。
戦術シミュレーションとしては、やや安っぽく、難易度も低め。
一番の見どころは、女性を着せかえて楽しむ一種の着せかえ人形プレイであろう。
……と、まあ概要を述べていったが、どんなゲームなのか察しをつけてもらえると思う。

ストーリーは悪くない。メインヒロイン5人の本筋は、基礎がしっかりしていると言える。
ただ、そこに力を注ぎ込み過ぎて、サブキャラクターの描写は事実上加入時の時だけ。加入後は殆ど語られないのは残念。
敵幹部キャラクターも、登場時には描写があるが、倒れる時の描写はない。あとでどうなったのか語られて初めて倒れた事を知るといった感じ。
戦えない主人公の描写が一番しっかりしている。まあ全キャラクターに絡む存在だからしっかりしていないとダメなのだが。

グラフィックはストーリーパート、着せかえパートはまあまあ、戦術パートでは良くない。
そんなに美麗なグラフィックとは言えないだろう。もうちょっと細かく描写出来たような気もするが。
BGMは雰囲気に合った曲を流すが、曲そのものが楽しくないというか質が高くはない。
同じ曲が何度も流されるので、そのうち食傷気味になる。曲の数自体も少ないようだし。

戦術シミュレーション系のゲームの王道として、フリーバトルでの修行も出来る。
「出来る」と言うよりも殆ど必須の項目ではある。レベルアップだけではなく資金を稼ぐためにフリーバトルをやるに越した事はない。フリーバトルなしででも出来なくはないのだろうが……。
また、サブクエストとして、ミスコンテスト、略してミスコンがある。
パラメータとその場しのぎで決着する程度だが、コンテストに勝つにも高いレベルといいコスチュームが必要。これも中々難しい。

総合的にはまあまあ……と言うか、多少残念な出来。
序盤はまだしも終盤の頃には戦闘も機械的な作業になりがち。フリーバトルでレベルを上げていると、本筋の戦闘は兎角楽勝になってしまう。
それ以前に多少ストーリーが冗長である。もうちょっと削っても良かったように思う。
着せかえという着眼点は割と評価出来る点だが、それ以外がちょっと宜しくない。
割と遊べるものの、私には2周目は出来ない。根性が必要とされるゲームと思っているから。


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