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おきらくテニスSP プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


いろいろなタイプのゲームを繰り出すゲームメイカー・アークシステムワークス社。WiiUでの現時点最新作が、この『おきらくテニスSP』である。
アークシステムワークス社は既に、Wii、及び3DSでも『おきらくテニス』を発表しており、つまりこれで3回目のテニスソフトウェアという事となる。
見た感じではグラフィック、ビジュアルの向上を見て取れる。以下に、主な特色を述べていく所存である。

さて、まずゲームのプレイ以前の問題として、テニスのルールに付いて皆さんはどの程度ご存知であろうか。このゲームはテニスの基礎ルールの説明はしてくれないため、ルールの知識は自前で準備する必要性がある。
かく言う私も学校の体育の授業で辛うじて習った程度であり、この場で皆さんに知識を疲労するのはおこがましいレベルに過ぎないが、それでも知識のあるなしは、このゲームのとっつき易さに直結するであろう。
一応ゲーム内で適用される独自のルールに付いてはフォローがある。しかし肝心のテニスの知識がないと、割とげんなりする羽目になりかねない事に留意していただきたい。

基本的には今まで通りというか、ある意味でのいつものテンプレートに乗っかった、正統な「おきらく」シリーズの1つとなっている。
モードは3つあり、勝ち抜き、フリー対戦、ミニゲームが存在し、ミニゲームは更に3つに細分される。オプションも一応あるが、ギャラリーとデータ初期化が出来るのみ。
キャラクターも最早お馴染みの8人であり、この辺りは一種の様式美とも言えよう。少なくとも悪い事ではないと思われる。

基本的には単独でプレイするゲームとして設計されているようであるが、一応多人数でのプレイにも対応している。その場合、プレイヤー1以外のプレイヤーはWiiリモコンでのプレイとなるようである。
個人的な好みかもしれないものの、この辺りの差異はあまり好ましく思えない。例えば4名でゲームプレイとなって、1人だけコントローラが違っている、というのはある種の孤独感を感じる。
ちなみにWiiリモコンでの操作もボタン操作のみによって行われる。Wiiリモコンを振ったり回したりする必要はないもようである。

あと今作、CPUのレベルが結構高め。特に「フリー対戦」のCPUレベルは、「勝ち抜き」の中級レベルに相当するのではないかと思われる。
故に、まずは手慣らしと思って「フリー対戦」に挑むよりは、最初は「勝ち抜き」の初級で感覚を慣らした方が良いであろう。
「勝ち抜き」の上級とかになると、CPUが喰らいついてくるようなしぶとさを発揮してくる。かなり延々とラリーが続くため、時間と精神に余裕のある時のプレイをお奨めする。

WiiUのゲームとなっただけあって、グラフィックの精度はかなり上昇したようである。音声も良い意味で程々に抑えられており耳に障らない。
ゲームの値段は800円とあり、或いは若干高く感じる方もおられるかもしれない。前2作品のテニスは500円相当だった事もある。まあ、これは各々の判断に委ねるしかないであろう。
正直言って素晴らしいゲームと言えるものではないが、哀しい事に現時点におけるWiiUの非常に乏しいソフトウェアラインナップの中では良い出来。それは間違いない。


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