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シアトリズム ファイナルファンタジー カーテンコール プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


スクウェア・エニックス社が繰り出す『シアトリズムFF』のパワーアップバージョンとでも言うべき作品、それがこの『カーテンコール』である。
厳密には、バージョンアップバージョンと言った方が近いかもしれない。兎に角様々な箇所が強化・良化されている。
ただ、やる事自体は前作から大した変化はなく、ある意味では前作と然程に代わり映えしていないとは言える。

まず、どういったゲームであるかの説明であるが、まあ一言で片付けてしまうとリズムアクションゲームである。
FFシリーズの楽曲をバックに、タイミングを見計らってアクションをこなす。やるべき事は単にそれだけとなる。
しかしながら、やれる事は前作と比べて大きく増している。以下に、何が出来るようになったかを述べていってみたい。

まず、プレイ出来る初期の曲数が大幅に増加。前作のように1シリーズに基本的に3曲、程度などではない。タイトルによって異なりはするものの、相当以上の数の曲が確保されている。
次にプレイアブルキャラクターの人員も大きく増加。こちらは初期から数が確保されているわけではないものの、クリスタルのかけらの入手が割と容易になった事もあり、頭数が揃え易い。
更に前作では飾りであったコレカを使う事により、キャラクターのパラメータ強化が可能に。おまけに特殊な手段を用いれば、アビリティの追加やCPの増加も出来るように。
また、3DSの下画面をタッチする事でのみプレイ出来た前作と異なり、ボタン操作に対応。ある程度プレイスタイルを選択出来るようになった。無論タッチ操作にも対応している。
5桁が限界数値だったリズポも、今作は6桁の保持に対応。どこまでリズポを増加出来るかは未確認であるが、今作では簡単にカウントストップするという事はなさそうである。
そして通信対戦モードの搭載。ネット上の誰かか、またはフレンドとリアルタイム対戦が可能に。勝っても負けてもコレカが入手出来る設計であり、勿論勝敗によるペナルティもない。
……と、まあ、ざっと述べてもこれだけのシステム強化がなされている。ある意味前作の存在意義すら問う出来と言えよう。

前作ででもかなり厳しかったカオス神殿の闇の楽譜は、クエストメドレーという形に変化した。
これは闇の楽譜より基本的には易しく、そしてFFっぽい、というかRPGっぽいシステムである。マップを踏破し最後に控えるラスボスを倒せばクエストクリア。分かり易い。
闇の楽譜との一番の違いは、レベルが上がる一方であったそれと異なり、クエストメドレーはレベルを下げる手段もある、という点であろう。お陰で気分的には非常に楽になった。

さて、いろいろと強化点や変更点を述べてきたが、やれる事は兎も角もやる事自体は前作と大した違いはない。ほぼそのままのリズムアクションゲームである。
故に、前作や、今作の体験版などが肌に合わなかった、という方々は或いは手出しを控えた方が良いかもしれない。基礎としてはやり込み型のゲームという事もあり、安易に勧めるという事は出来ない。
また、何かと不評になりがちなダウンロードコンテンツも実装されており、そういった類の集金システムが嫌いな方はご注意。無論それらがなくとも問題はない。

このゲーム未体験の方には、まずは体験版に触れてみてもらいたいところである。とはいえ、体験版はまあまあの出来であるものの、実作との違いが著しくそれのみで判断を下すのは些か問題がないでもない。
個人的には実際に購入してもらい、その上で善し悪しの判断を下していただきたいところであるが、お金が掛かる事であり、やはり推奨は出来かねる。
ただ、私はこのゲームを購入して良かったと思っている。前作に容量の点で不満があったという方には、是非もう一度やってみてほしいものである。


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