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街ingメーカー プレイ記念雑感

文:W.KOHICHI


予め断っておくと、私はこのゲームをあまりプレイしていない。実動、1時間くらいだ。
だが世の中には、やり込まなくてもある程度の事を察する事のできるモノが存在する。この『街ingメーカー』もその1つだと言えよう。
これはそのゲームの底の浅さ・深さとは別次元であり、寧ろ一を聞いて十を知るといったような感覚である。ゲーム慣れしていくと度々こういう事があり、私だけの特殊な能力というわけではない。

感覚的には、『シムシティ』に住民とのコミュニケーション要素を加えたような感じか。
『シムシティ』の住民の要望がやや婉曲的な事に比べると、『街ingメーカー』の住民の要望は直接的かつ分かりやすいものである。
「公園を作って欲しい」とか「警察を建てて欲しい」とかいうのは共通したところであるが、『シムシティ』がハコモノとしてその要求を満たす事ができるのに対し、『街ingメーカー』では、住民からその要求を満たすための物件を紹介してもらわなくてはならない。
つまり『街ingメーカー』では、どれだけ住民の要望に応えられるかは、まさに住民との仲にかかっているのである。具体的には友人以上になると物件を紹介してもらえる。ただ住民が都合良く求められている物件を知っているとは限らない。当然であるが。
良く言えば「住民が生きている」という事ではあるのだが……。これは中々面倒で面白いシステムだ。

ゲームはいきなり何もない荒野から始まるのでちょっと驚くが、基本スタイルは物件を建て、横に道路を引けば良い。
物件を建てるために懐は痛まない。というか街の予算とかそういったものはない。ここも『シムシティ』とは違うところだ。
代わりにポケットマネーが存在し、住民に向けたいろいろなプレゼントや、アイテムを買う事ができる。
アイテムは店で買う。勿論、誘致した物件の店でだ。

弱点というか欠点というか、そういうのは基本的にないのだが、あまり洗練されていないなあという印象を受ける。
まず住民の性格・顔・喋りとかのパターン数がかなり少ない。同じ顔の同じ性格の人がゾロッと並ぶ事もあり、笑うに笑えない事がある。似た顔は似たパターンで動きがち。
次に土地の活用が、どちらかといえば感覚的。最初は戸惑う事になるだろう。物件を建てる時の感覚に隙間があり、間合いを掴むのに戸惑う。うっかり道路を壊さないよう注意。
そして、一度建てた物件、一度引いた道路はやり直しが効かない。これは青写真を写すのにかなりのマイナス。結構行き当たりばったりになりがちになってしまう。
続編でこれらを改善して欲しいところなのだが、実はもう続編が出ているらしい。それもかなり不評な。

住民とのコミュニケーションに重きをおいたのは良いが、人口40人くらいならまだしも、100や200になってくると対応に大わらわ。
幸いそこら辺は考えられていて、便利なツールはあるし、1人の住民から紹介される誘致物件にも限界があるので、いつまでも1人にかまけていなければならない、といった事はない。
割と面白いゲームであるが、一筋縄ではいかないゲームであり、苦労も避けられないゲームにはなっている。根性が必要である。
強力にプッシュはできないゲームだ。興味をそそられたならやってみても良いかも、レベルである。


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